紫陽花とかき氷を求めて奈良を駆けまくるライド

自転車

前書き

自転車に乗るまで、花の類いにはまるで興味が無かった。

否、今だってどのくらい興味があるのかはあやしい。桜や朝顔、チューリップくらいは見分けがつくが、それ以外の花となるときちんと判別できないような気がする。

それでもまあ、特に今年は桜を見に行きたいという欲求が強かったせいか、その延長線上で花を愛でてみたいという気持ちを抱いている。

花の類いは何でも良い。ありきたりな花でも、季節の移ろいが感じられるなら、或いは私の五感を楽しませてくれるなら、それで良いのだ。

6月の上旬。例年よりも遅い梅雨予報にまだまだ走れるだろうと思っていたところ、坂本氏の誘いにより紫陽花を見に行くことにした。

紫陽花はちょうど梅雨の時期、6~7月にかけて一気に花をつける。梅雨の時期の遅れに伴い、もしかすると開花もずれ込んでいるかもしれないが、SNSを観測している限りではそうでもないような気がした。とりあえず、行ってみようじゃないか。

今回の参加者はこちら。

坂本(@skmt_fact
373(@m_alice
KeiOS(@kei_os_

聞けば、紫陽花をはじめとする四季折々の花々で有名な寺がいくつかあるらしい。今回は寺ライドになりそうだ。テラライド。なんかメガライドよりもギガライドよりも強そうな響きである。

寺ライドのルートを考えながら、クロスバイクで久々に100km近い行程を走れるのだろうかと少し不安になるのであった。

なお、予め断っておく。本日のライド記事には移動中の写真が殆ど無いことをご容赦いただきたい。

つまり、いつも使用しているデジカメにメモリーカードを入れるのを忘れていたわけだ。KeiOS一生に10回くらいの不覚である。

予備のメモリーカード、ツールボックスに忍ばせておこうかな……。

ほぼワープのR163

2022年6月4日 土曜日

午前5時半ごろに起床した。多少寝不足だったような気もするが、仕事が無ければパッと起きられる不思議。

ぱぱっと用意を済ませて、7時前に出発。

集合場所は清滝峠すぐ近くのコンビニである。自宅からは約1時間で着く。

いつものように城北公園通からR1を経由して京阪の線路沿いに並走し、途中でR163に合流。もはや慣れた道である。

分かる人には分かるネタ(勇者特急マイトガイン)である。

少し遅れて373氏が到着。坂本氏は出発時にトラブったらしく、JR木津駅で合流するとのこと。無理せず来てもらえるなら有り難い。

コンビニを出て早速清滝峠へ。もはや通い慣れた道である。通い慣れすぎて道中の坂の勾配具合も肌感覚で把握しているまである。

名前はまだ無い「とはいえ、清滝峠でも私だとスローペースですね……ごめんなさい(>_<)

別にTTしにきたわけじゃないし、ゆっくりで良いんだよ。というか斜度10%もない坂だし、むしろ気持ちよく登れていると思う

まったりペースで頂上へ。クロスバイクでもそれなりに登れるものである。まあ、だいぶカスタムしてるけどな!

登り切ったことについて感慨にふけるわけでも無く、そそくさと裏清滝を下る。下ったあとはR163へ。

清滝→R163のルートは久しぶりだ。たいてい、鳥谷池のほうへ寄り道するのがデフォなので。

生駒から木津へと向かうR163の道は下り基調なので、自然とスピードが乗ってゆく。感覚的にはワープしているような気分だ。

対して時間もかからず木津駅に到着。駅の入口で、ちょうど輪行を解除した坂本氏と合流した。

パーティが揃い、ここからが本当の始まりだ。

まるで隠れ里のような岩船寺

R24、R163を南に向かい、木津駅の東側にある住宅地のほうへ。そこからr44、奈良加茂線に入る。

途中、右手に無鉄砲総本店が見える。関西を代表する超こってりのラーメン店だ。

無鉄砲系列のお店といえば、過去にこのブログでも紹介している。

こってりの概念を覆し、「これは本当に豚骨ラーメンなのか……」という問いを突きつけてくる一杯を提供するお店である。その本店、一度は食してみたいものだ。

奈良加茂線の途中で細い道、r752に入る。浄瑠璃寺の案内が見えるが、今日行くのはその先だ。

道が細くなり、思っていたよりも長い登りが始まる。クロスバイクでは斜度10%までが限界だが、なんとかやり過ごす。

登った先の分かれ道を右に折れると、目的地の表示が見えた。

岩船寺である。

岩船寺/公式HP
京都府木津川市加茂町にある真言律宗の寺院「岩船寺」。山号は高雄山(こうゆうざん)、院号は報恩院。境内には四季折々の花が咲き誇る「花の寺」として多くの参拝者が訪れています

隠れ家のようなスタイルながら、コンパクトに詰め込まれているという雰囲気の寺だ。

本殿には約3mもの阿弥陀如来坐像が鎮座していた。聞けばその坐像、平安時代の946年に作られたものらしく、この寺の象徴として丁重に扱われているようだ。

仏像にそれほど思い入れがあるわけではないが、昔々、学生だった頃に受講した東洋美術史の授業を担当していた若い教員が仏像オタクだったせいもあり、その影響でいくつかの美術館や寺へ仏像を見に行ったことがある。

特に面白かったのは京都の泉屋博古館と、蓮華王院三十三間堂だったか。

前者、泉屋博古館は住友家の美術コレクションを保存公開している美術館で、その所蔵総数は約3500点と破格のスケールである。常設展では手のひらサイズの仏像が並んでおり、仏像における細微に優れた装飾と、フィギュアのような造形美が楽しめる。

後者、蓮華王院三十三間堂は天台宗の寺院で、国宝でもある本堂に並ぶ1000躯もの千手観音像はまさに仏像のバーゲンセールである。こう書くと下品かもしれないが、見れば必ずそのフレーズが浮かぶはずだ。

住職の説明を聞きながらひとしきり仏像を堪能したあとで、岩船寺の境内にある三重塔をバックに紫陽花を探す。

撮影:373氏

しかし、花手水にあるもの以外に紫陽花が見当たらない。少し時期が早すぎたようだ。

それでも、見ると紫陽花以外にも花々が顔をのぞかせており、見ていて和む。

撮影:373氏

狭い境内の中に大きな建物と仏像があり、その周囲を自然が囲む。妙に面白い寺だった。次こそ時期を狙って訪れたいものだ。

そんな恥ずかしい名前の人は知らないっ!(たちばな)

岩船寺を出て笠置街道へ。途中でR369に合流し、奈良市内へと入る。

そのまま奈良公園へ進むわけではなく、r754を少し北上して住宅地へ潜る。

今日の昼食スポットは、その住宅街の真ん中にある。

お食事処 たちばな (近鉄奈良/定食・食堂)
★★★☆☆3.14 ■お食事処 たちばな ■予算(昼):¥1,000~¥1,999

民家を改装したお食事処のようだ。

一見すると大きな家のようにしか見えないが、広々とした居間に通されると、そこには多種多様な雑貨が並んでいた。

昭和レトロな雰囲気を中心に、奈良の紹介本、さらにはふなっしー、アマビエと、コンセプトがぶれまくりである。にもかかわらず、妙な統一感が生まれているのは何故だろうか。

と思ったら、何故か棚の奥にエロマンガ先生のフィギュアが置いてあった。

ここだけ統一感と無縁だよ!

メニューはたちばなセットとオムライスのセット、カレーそばのセットの3つから選ぶ。なお、どのセットにも鶏天がついてくる。めちゃくちゃ鶏天推しである。

373氏はカレーそばセットを、坂本氏と私はオムライスのセットをそれぞれ注文。

のんびり待っていたところ、出てきたオムライスのセットがこちら。

綺麗なビジュアルのオムライスだ。オムライス食べるの久しぶりだな……。

さっそく一口。

美味い。薄く焼かれた卵と、チキンの入ったケチャップライスの酸味が安定感のあるハーモニーを奏でてくる。これだよこれ、という感じ。卵はふわふわのほうが好みだという人もいるだろうが、ごく普通に焼き上げたものも悪くない。

半分ほど食べ進みながら、鶏天に手を伸ばす。こちらも美味である。ソースの辛みが鶏天の旨味と良く合うが、鶏天単品でも十分に食べられる味だ。

シンプルながら、どれもレベルの高い味である。加えて値段と比較してもボリューミーで食べ応えがあった。

お食事処たちばな、妙なコンセプトに負けないまんぞくであった。

(紫陽花的な意味で)圧倒的だな、わが矢田寺は!

昼食を終えて、次の目的地へと向かう。

次の場所は奈良市街、大和郡山市街を挟んで矢田丘陵へ向かうこととなる。市街地を斜めに突っ切るのは難しいので、まっすぐ下ってまっすぐ横切ることにした。「右ストレートでぶっとばす、まっすぐ行ってぶっとばす」みたいな勢いで。

ひたすらR169をまっすぐ下り、途中で西へ。r754を経てr144に入り、さらにまっすぐ西を目指す。

なかなかに気温が高く、ボトルの水が無くなってきた。目的地はもう目と鼻の先だが、無理はしたくなかったのでコンビニ休憩。

アイスが美味しい季節になってきたと感じる。

気を取り直して出発。

目的地の前まで来ると、警備の人に回り道を案内される。自転車は迂回せよとのことらしい。

迂回先でドーナツ型の凹みがあるコンクリートに悲鳴を上げながら(ドーナツ型凹みは劇坂の証)、なんとか目的地までたどり着いた。

矢田寺である。

矢田寺 大門坊ホームページ
奈良県大和郡山市にある「お地蔵様」と「あじさい」のお寺、矢田寺です。別称をあじさい寺ともいいます。

高野山真言宗の寺であり、正式名称は金剛山寺という。境内に約1万株、60種もの紫陽花が咲き誇ることから、別名「あじさい寺」とも呼ばれるらしい。

重要文化財を多く所蔵していることでも有名だが、時間の都合上それらを目にすることは叶わなかった。次回来たときにはぜひともじっくり回りたいものだが……。

「あじさい寺」の別名が示すように、境内にはあじさい園と呼ばれる一角がある。

撮影:坂本氏
撮影:373氏
撮影:373氏

この日は6分咲きといったところ。それでも十分すぎるほどに見応えがある。青色と紫色を中心に、夏の訪れを匂わせる紫陽花の花々が迎えてくれた。

人がすれ違うのも難しいくらいの細道。その両端に沿って、紫陽花が並ぶ。あじさい園というよりは紫陽花道のほうが正しいかもしれない。

最初に訪れた岩船寺とは対照的に、境内は広々としており、けれども小高い山の上にありながらコンパクトな印象を伝えてくるところは変わらない。広いが、僧坊がシステマティックに配置されているという感じがするのである。

面白い雰囲気の寺だ。やはり、次回ゆっくり回りたいと思う。

かき氷=デコレーションされた水だと思っていた時期もありました(Cafe&CakeLabo Mou)

矢田寺で十分に紫陽花を堪能した我々は、最後の目的地へと向かう。とはいえ紫陽花はこれで終わり。最後はスイーツで締めというわけだ。

寺を出て南に下り、奈良の主幹道R25に合流。そのまま道なりに西へ進むと、世界最古の木造建築・法隆寺の前までやってくる。

その、法隆寺の付近において、坂本氏から寄り道したいとの声が。聞けばその周辺に、ポケモン、『ポケットモンスター』のマンホールが点在しているのだという。

R25からr5へ入って行くと……徒歩でも回れそうな範囲に3つのポケモンマンホールがあった。

撮影:坂本氏
撮影:坂本氏
撮影:坂本氏

私はポケモン未履修なので、せいぜいピカチュウくらいしかわからない。しかし坂本氏はこれらのポケモンの姿にどれもテンション爆上がりのようだ。

次いで法隆寺のすぐ側まで行くと、別のポケモンマンホールがあった。狭い範囲にこれだけの数があるとは。

撮影:坂本氏

ポケモンマンホールといえば、以前にこのライドで初めてお目にかかった。

全国各地に点在しているらしく、既に置いてある地域にも再び設置されることがあるのだという。コンプリートが難しいパターンだな……。

ひとしきりマンホールでの撮影を堪能し、気を取り直して最後の目的地へ。

R25に戻り、そのまま道なりに進む。途中、王子駅の周辺を通り過ぎて、大和川に並走する。

このまま西に進むと大阪に戻ってしまう……というあたりで、r202に進路変更。100メートルも走らないくらいの場所に、そのお店はあった。

カフェ&ケーキラボ ムー (三郷/カフェ)
★★★☆☆3.30 ■予算(昼):¥1,000~¥1,999

Mouは「ムー」と読むらしい。青色の壁が印象的な店舗だ。

自転車をどこに停めようかと迷っていると、店内から出てきたスタッフの方から、店の前に立てかけてもらって大丈夫とのお声をいただいた。有り難い。

さっそく店内へ。ケーキやパフェ、焼き菓子など、豊富なメニューに目を奪われる。

だが、今回は期間限定のかき氷を食べに来たのである。奪われた目を取り戻して、プリンアラモードのかき氷を注文する。

というか、プリンアラモードのかき氷って想像もつかない。あえて説明すると、プリンアラモードとはプリンを中心に添えて周りにフルーツやアイスなどの甘味を添えたスイーツである。なお、甘いものが苦手な私はおそらく一度も食べたことがない。

待つこと暫く。出てきたのがこちら。

見た目はただの甘そうなかき氷だが……。まずは一口。

美味い。プリン味、というかカスタード味のかき氷とは珍妙な。しかし、かき氷であるからして、甘さは控えめである。だのに、決して味が薄いわけではない。

かき氷を食べ進めてゆくと……。

あっ! 中からフルーツがいっぱい出てきました!

な、何ーっ! かき氷のなかに甘味を閉じ込めることでプリンアラモードを演出していたというのか、なんという工夫!

……えっ突然どうしたんですか?(ドン引き)

KeiOS,、謎の演出はやめなさい、姉が困惑しているわ(ドン引き)

ミスター○っ子みたいな解説をしただけなのに……(しくしく)

とにかく甘すぎず、薄くなく、そして食べ応えがあるのが良い。奈良はかき氷激戦区だと聞いていたが、中でもこれはレベルが高いと感じる。正直、先日食したトコトワと甲乙つけがたい。

Cafe&CakeLabo Mou、スイーツ男子になってしまいそうなまんぞくであった。

その後、JR王子駅まで戻り、そこから輪行。王子駅から鉄道に乗るのは初めてである。

無事に帰路へ着くこととなった。

結びに代えて

まだ梅雨前。初夏とも呼べぬ時期のライドであったが、気温はそれなりであった。

一方、自然は季節の移ろいに敏感であるらしく、紫陽花を愛でるには少しかったように思う。

それでも、岩船寺のコンパクトな佇まいにはほっこりさせられたし、矢田寺の紫陽花は早くも夏の訪れを感じさせるものであった。

その締めにかき氷とくれば、それはもう、初夏のライドと呼んでも差し支えないのかもしれない。

夏も甘いものも苦手だが、少しだけ夏が楽しみに感じられるライドであった。

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