雨上がりにポツンとラーメン屋(かんばし)・パン屋(森庵)を探して加西市へ

自転車

前書き

2023年に入ってしばらく。ほとんど自転車に乗っていないことに気が付く。1月に乗ったのはソロでふらっと走りにいった1回だけである。

週末に所用が入っていたり、周りとの予定が合わなかったり、乗れなかった理由は様々あるわけだが。

一方、身体が訛らないように、ここ最近は2~3日1回のペースでにランニングをするよう心がけている。しかしランニングはあまり自転車には効果がない(と思っている)。

まあ、体重が減ったり基礎体力が向上したりする分には効果がなくもないのだが、直接的な恩恵はあまりない気がする。

いずれにしても、ここしばらく自転車に乗れていない。グループライドに至っては昨年の12月18日、屋台ラーメンを食べにポタリングしたのが最後である。

普段よく走りにいっている373氏も同じような感じだったらしい。長らく仕事やら何やらが挟まっていたようだが、ようやく少し時間が空いたようなのでどこかへ行きましょうとの連絡があった。

こちらとしてもありがたい申し出だった。私の方で候補日を確認し、参加希望者を募る。最終的に以下のメンバーが参加してくれることとなった。

がむが(@AlienA0V0
坂本(@skmt_fact
Shin(@shinox_kg
373(@m_alice
KeiOS(@kei_os_

とりあえず行き先を西方面、具体的には兵庫県加西市に設定し、行きたい店を聞き取りしてルート作成を行う。

しばらくぶりのライドである。加速性や最高速度においてやや不安があるグラベルロードでの参戦だ。できるだけ皆の足を引っ張らないようにしようと誓い、早々に寝床へともぐりこんだ。

誰もが伊吹山ヒルクライムでレースするわけじゃないんですよ

2023年2月11日 土曜日

午前5時少し前に起床。一応アラームをセットしておいたのだが、鳴る前に起きられた。

せっせと準備を済ませて、6時過ぎに出発。

まだ夜が明けぬ中、十三大橋をわたる。

月は出ているか?

十三駅からR176に入り、神崎川を越える。いつもなら神崎川沿いに走るルートを採るところだが、昨日の雨で路面状態の悪さが懸念された。少し時間はかかるが、R176をそのまま進むこととした。

取り立てて語る内容のない道である。ただ無心でペダルを回し、集合時間少し前にローソン池田新町店に到着した。

見れば、すでに坂本氏の姿が。財布を忘れたとかとかオフトゥン峠がどうとか呟いていたので遅れるような気がしていたのだが、どうやら輪行でやってきたらしい。パンクチュアルな奴だ。

続けて373氏、Shin氏、がむが氏も到着した。先週所用でお会いした373氏以外はみな久しぶりである。

挨拶もそこそこに、出発。まずは定番のr12をまっすぐ進む。

目の前に見えるスポーツ施設らしき建物、「2018年にリニューアル!」と書いた紙がはがれかけている。通るたびに気になっていたが、もう再開する気はないのだろうなと思う。

猪名川町役場の前を過ぎてさらに進み、道の駅いながわ付近までやってくる。昔はここでよく休憩していたものだ。そういえば移転するという話を聞くが、どうなったのだろうか。

今回は道の駅の手前で左折。r68に入り、ゆるやかな登りをこなしてゆく。

坂本氏は4月に開催される伊吹山ヒルクライムに参加するらしいとのことで、ここいらで登りのがんばりをみせてほしいところだが……当の本人はいたってマイペースのようだ。

まあ、出場者全員がレースみたいにヒルクライムするわけでもないからな。楽しんで完走できるくらいのコンディションに持っていければ良いんじゃないかと思う。

千刈水源地のそばを走り、三田市に突入。有馬富士公園口の交差点で北に進路を取り、r49に入る。ハンドメイドのクロモリフレームを手がける自転車工房エコーの前を過ぎて、r309を西へ。

千丈寺湖のちょうど北側にひろがる下青野公園を横目に、さらに西側へと進む。このあたりのひっそりとした人工的な雰囲気の風景はわりと好みだ。過去にはクロスバイクでも訪れたことがある。

JR相野駅のそばを通り過ぎてr141に合流。集合地点からの距離はちょうど40㎞に達していた。無理をせず、このあたりで休憩を入れることにした。

カイロなんていらねえよ、冬

道沿いのローソンでしばし休憩。

ローソンのホットスナックといえばLチキが有名だが、ふと見るとLチキの隣に「パリチキ」なるものが並んでいた。

違うそうじゃない。

見た目は普通のLチキとあまり変わらないようだ。とりあえず一口。

美味い。その名のとおりパリっとした衣の触感が楽しめる一品である。揚げたてのLチキによるサクッとした感じともまた異なるようだ。次見かけたらまた買ってみよう。

本日の最高気温は久しぶりの10度超え。加えて風も穏やかであり、走りやすい気候だ。

しかし、皆一様に寒い寒いと言う。見ると、コンビニでカイロを買ってお腹や足先に貼っていた。

冬場のライドでも走っているとそれなりに身体が温まってくるので、ふつうはカイロの類は必要ない。ただ、手にしろ足にしろ指先はほとんど動かすことがないので、きちんと防寒対策を講じていないと辛い思いをすることが多い。というか、低温で指が痛くなる。

かくいう私はこのくらいの気候であればカイロを使おうとは思わない。もとより暑がりだということもあるが……。特に、いま借りているグラベルロードには分厚いSPDシューズを使用しているので、寒さで足先が痛くなることもない。

でも、つばめが戻ってきたら風を防げないSPD-SLシューズを履くことになるので、再び防寒対策に悩まされることになるのだろうな、などと思う。

20分ほど休憩をとって、再出発。小さなアップダウンをこなしながらr141の道を進んでゆくと、広々とした里山の風景が視界に飛び込んできた。

山々の色合いが白いのは、おそらく葉が落ちて枝のみになっている木が多いせいだろう。いずれにしても、どことなく不思議な風景だ。

行き交う車も少なく、のんびりとペダルを回す。なお、後から聞いた話ではShin氏がこのルートをたいそう気に入ってくれたらしい。即席とはいえルートを引いた甲斐があったというものだ。

やがて軽い登りに差し掛かった先に、黒石ダムが見えた。

しかし、どうやら立ち入り禁止となっており、道路からは管理事務所の類が確認できない。そういえば、こういう場所ではそもそもダムカードを配っていないのだろうか。

黒石ダムの先には一段と斜度の上がる坂があった。Shin氏、373氏に続いて登ってゆく。

グラベルロードのギア比であればたいていの坂は登れるが、いかんせん車体もタイヤも重たいので、スピードはゆったりだ。それでもなんとか前の二人にくっついてゆく。

やがて西脇市との境界が見えたところで、二人を抜き去ろうとギアを上げる。

ふはははははすまんのう……って、コイツ、全然加速しないぞ!

当然といえば当然である。結局二人に抜き返され、のろのろとゴールした。グラベルロードで差し合いは二度とするまい、と思った日である。

ここからは何キロも先に渡って下り基調の道となる。本来であればご褒美区間と喜ぶべき所だが、安全第一で下る。

急な下り坂をそつなくこなし、コントロールできるスピードで進む。ひたすら何キロも下った先に、最初の目的地が見えてきた。

日本の中心でベントラーベントラー

本日最初の目的地、日本へそ公園である。

その名の由来は、この公園が日本列島の東西及び南北のほぼ中心である東経135度、北緯35度の地点に設置されているからである。東経135度といえば日本の標準時の基準となる子午線でもある。

どちらかというと東経135度は明石市のほうが有名なので、この地を日本のへそと呼ぶのはなんとなく違和感がある。

というか、本当に知名度の低い公園だと思う。

公園内には西脇市出身の巨匠、横尾忠則の絵画を展示していた美術館などもあるようだが……どれくらいの人がこの美術館を知っているのだろうか。

しかしまあ、名前のインパクトが面白みを与えているのも事実。かくいう私も、この地の名称に惹かれて、過去に一度自転車で訪れている。

とりあえず地球をかたどったモニュメントのうえで、めいめい記念撮影。

撮影:373氏
撮影:373氏
撮影:373氏

内輪では自転車を持ち上げるのがトレンドのようなので、私も乗っかっておく。

撮影:373氏

なおこの姿勢を保てたのは1~2秒。今日はバランスがうまく取れなかった。

最後に5人集まり、地球、そして日本の中心でなにやら儀式を始める。生贄はピンクのウサギ。

ベントラーベントラーと言いたくなる風景である。

特に何があるわけでもない公園だが、初見の方々にはウケが良く、久しぶりに来ると懐かしさもあり、それなりに楽しむことができた。

よくよく考えてみれば、大阪からの距離が適度に離れており、自転車の目的地としては悪くない。

公園のすぐ側にある加古川線日本へそ公園駅は1日に8本しか列車が来ない、閑散とした駅だ。公共交通機関で来る方が難しいのである。

自転車に乗っている限り、いずれまた来ることもあるだろう。

醤油ラーメンにもいろんな種類があるらしい(かんばしラーメン)

日本へそ公園の敷地を南側に抜けて、加古川線に沿って南へ走る。

途中で加古川を渡り、JR西脇市駅のそばを通る。この駅は1時間に1本程度列車がやってくるようだが、それでも行きにくい場所であることに変わりは無い。西脇市といい、宍粟市といい、兵庫県はそれなりの規模ながらもアクセスしづらい市区町村が多い。

加古川の支流、野間川とよばれる川を左手に眺めながら、Shin氏を先頭にr34の道を進む。ここにきて日差しが暖かい。

気候に釣られてか、Shin氏がぐんぐんスピードを上げる。流石はスーパーランドヌール、地力の差が出ている。

死に体でなんとか食らいつくと、いつの間にか町外れにいた。次の目的地、というかラーメン屋はこの辺りにあるそうだが、こんな場所にラーメン屋?

訝しみながら集落に分け入ってゆくと、本当にあった。

かんばしラーメン

かんばしラーメン (滝/ラーメン)
★★★☆☆3.22 ■予算(夜):~¥999

ラーメン屋のほかには商業施設らしき建物は一切無い。なぜこの地で、と思わずにはいられない。

店の前には今し方出てきた客が二人。車も何台か停まっている。なかなかの人気店らしい。

なぜか逆にかかった暖簾をくぐり、店内へ。なんとも昭和レトロな内装だ。

座席はほぼ埋まっている。これは少し待った方が良いかと思っていたところ、奥にある座敷を空けてくれた。ありがたい。

着座し、メニューを確認。14時まで半チャンセットを注文できるそうで、5人ともそれを注文。けっこうお腹がすいていたので餃子もプラスした。

のんびり待つこと暫く。出てきたのがこちら。

なんとも言えぬオーソドックスなビジュアルの醤油ラーメンとチャーハン、そして餃子。これは食べる前から期待値があがる。

さっそくラーメンを一口。

ん? 妙にスープが甘い。食べる前とのギャップを感じるが、これはこれで悪くない。細い縮れ麺にスープが絡み、特徴のある味を伝えてくる。

いわゆる「播州ラーメン」とはこの甘いスープが特徴らしい。なるほど、甘味の醤油スープがベースとなり、のり、もやし、チャーシュー、ねぎと並んだシンプルな具材をきれいにまとめ上げている。

続けてチャーハンと餃子をいただく。チャーハンは米粒のパラッとした感じと紅ショウガのつんとした風味がよく出ており、これもどこか懐かしい味だ。餃子は少し固めに焼き上げられた皮のなかに、具材がよく詰まっている。

店のビジュアルに違わぬ、普遍的な一品の数々。それだけに、自分の好みとの差異が悩ましい。

醤油ラーメンは好きだが、私はキレのある醤油味のほうが好みである。逆に、甘い味付けのスープは少し苦手だ。こればかりは好みの問題なので致し方ないと思う。

とはいえ、決して味が悪いわけでは無い。いわゆる播州ラーメンというものを初めて堪能させてもらうことができた。

かんばしラーメンの醤油ラーメン、好みとは違えど面白みを感じるまんぞくであった。

「(末期症状の顔つきで)クリーム吸いたい」(森庵)

ラーメン屋を出て、Shin氏の誘導でさらに進む。

次の目的地はパン屋だ。昼食を食べたばかりなのにパンとは。本日も太って帰るライドになるわけか……。

しかし、坂本氏曰わく目当てはパンでは無いらしい。一体どういうことだってばよ。

妙に開けた道に出る。播州のあたりは街とそうでない場所の違いがはっきりしている。

道の先にはぽつぽつと家が建ち並ぶ。本当にこんなところにパン屋があるのだろうか……などと、わざとらしく思ったりしてみる。

そのパン屋には過去にも訪れたことがある。なので、この何の変哲も無い住宅地のなかにあることは最初から知っていた。

なんとなく見たことのある道を抜けてゆくと、その店はあった。

森庵

パン処 森庵 (社町/パン)
★★★☆☆3.44 ■予算(昼):~¥999

店内に入ると、さまざまな惣菜パンやスイーツ系? のパン、ラスクなどが並んでいる。いくつかは既に売り切れているようだ。

しかし、皆の関心はパンよりも別のところにあった。それは、コルネである。注文を受けてからクリームを詰めるらしい。

せっかくなのでそのコルネを注文。あと、ダブルピーチなるパンが美味しそうだったのでこれもレジへ持って行く。

甘いものは苦手なのだが、たまには食後のデザートとやらもよかろう。

……いや本当に苦手なんだよ!(最近あまり信じて貰えない)

注文後、席にて待つこと数分。クリームの詰まったコルネが運ばれてきた。

さっそく一口。

美味い。外側のパリッとした食感と、中の柔らかなクリームがベストマッチだ。

おそらく、クリームを詰めたまま置いていると外側の生地に染み込んでしまい、食感が変わってしまうのかもしれない。だから注文を受けた後にクリームを詰めているのだろう。多分。

一本食したあとで、今度はダブルピーチを一口。こちらも美味い。二種類の桃がもたらす甘みと酸味。それがデニッシュ生地と混じり合う。これは外れるわけが無い。

流石に珈琲がないと甘くて食べづらいところだが、良いひとときを堪能させてもらった。

ちなみに坂本氏はコルネ3本買い、Shin氏に至っては2週連続でこの店を訪れている。ふたりともどんだけコルネ好きなんだ……。人気商品なのも頷けるが。

森庵のコルネとダブルピーチ、甘いものが苦手な私でも堪能できるまんぞくであった。

最後の最後でトラブル

森庵を出てすぐの道路で、Shin氏と別れる。彼はここから自走で帰るほうが楽なようだ。

あとは帰るだけなのだが、ここ播州は公共交通機関に乏しい。そんな地において、ひとつ目を付けていた鉄道があった。

北条鉄道である。

それは、加西市の北条町駅から小野市の粟生駅までの約13kmを結ぶ小さな鉄道だ。車輌はディーゼル方式の一両編成。1時間に約1本の運行で、計8駅に停車する。

鉄道には多少の思い入れがあるが、別に鉄オタと言われるようなマニアックな知識も愛着もない。ただ、北条鉄道は昔から少し気になっていた鉄道のひとつである。

また、停車駅のひとつである網引駅のそばには大きな銀杏の木が植わっており、過去に何度か訪れている。

ちょうど終点の北条町駅が森庵からそう離れていない距離にある。せっかくなので、その北条鉄道に乗って帰ることにした。

駅舎に到着し、そそくさと輪行準備。次の列車は約20分後だったが、なんとか滑り込みで乗車できた。

意外といっては失礼かもしれないが、それなりに乗降客が多い。しかも一両編成なので輪行袋の置き場所に少し難儀した。

だが、どことなくレトロで牧歌的な雰囲気があり、乗っていて楽しい。こんな機会でもないとなかなか乗ることのない路線だ。

粟生駅でJR加古川線に乗り換えて、加古川駅へ。そのあとは新快速でひたすら戻ってゆく。相変わらず文明の利器の素晴らしさを思い知る。

途中で373氏、がむが氏と別れ、自身の最寄り駅あたりで坂本氏を見送り、帰路につく。

今日も楽しい一日だった、近所のスーパーで夕食を買って帰ろう……。そんなことを考えていたときに、事件は起こった。

スーパーの前までやってきて、SPDペダルから脚をはずそうとする。

しかし、左足はすぐ外れたのに、右足が外れない。これはおかしいと思い、何度がぐいぐいと脚をひねってみる。しかし、うんともすんとも言わない。

仕方なく、転ばないよう慎重に右足をシューズから抜く。いろいろと試してみたが、結局ペダルからシューズがとれることは無かった。

最後の最後でどうしてこんなことに……そう思いつつ、その最後で良かったと少し安堵する。

当然ながら、ライドの途中で起きていたら続行は難しかっただろう。場所によってはなかなか難儀な思いをしたに違いない。

何よりも、これがよく付け外しする左足でなくて本当に良かったと思う。下手をすれば怪我に繋がりかねない。

もう二度と、去年のような怪我はごめんである。

何はともあれ、無事に帰ってくることができた。そのことを喜びながら、ライドは幕を閉じた。

なお、その後何度も悪戦苦闘したのだが、結局お借りしていた車体を返すまでシューズが外れることはなかった。

後日。車体を返すためK&MCYCLEへ持って行くと、店長がマイナスドライバーを使ってシューズとペダルの間をなにやらゴリゴリ。

暫くして、取れましたとのこと。やはり暴力……!! 暴力はは全てを解決する……!!(違う)。

原因はシューズ側のクリートが緩んでいたことにあるらしい。走行中の安全運転だけではなく、普段から機材もよくメンテナンスしておかなければと自戒する次第であった。

結びに代えて

最後にトラブルがあったものの、総じて楽しいライドであった。

普段走ったことのない道を走れた上に、食べたことのないグルメも堪能できた。味の好みが違うという点はさておき、こういうのは経験してこそである。

このライドを最後に、お借りしていたBOMBTRACKはお店に返すこととなった。今まで大変お世話になりました。

暫くはまたクロスバイクで走ろう。そう思っていたのだが……。

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