前書き
まずは今回の参加者を紹介。
おもちっこ(@noyuyuya)
きゃぷちゅん(@cap_pac)
ふぃぼなっち(@nacci_contact)
373(@m_alice)
KeiOS(@kei_os_)
きゃぷ氏とは佐賀以来なのでおよそ5カ月ぶりだろうか。今回もよろしくお願いします。
有田まで自転車で行くことを考えた時、大抵のサイクリストは和歌山市あるいは岩出市を抜けてゆくことを選ぶだろう。景色もそれなりに楽しめるし、行程も楽だ。
なのにわざわざ遠回り、つまり高野山経由で行きたいなどと思ったのは、ひとえに走ったことのない道だからである。
思えば高野山を抜けた先は護摩壇山しか行ったことがない。だが、高野山を起点にR480を下っていけば、そのまま有田市まで出ることもできる。
今回はそのR480を経由してみたい、と思ったわけだ。
或いは、ここのところ強度の低いライドばかりだったせいか、鈍った体に活を入れたいなどという体育会的な思考に侵されていたのも事実である。どうにも解せないが。
1000m級の山岳コースともなると躊躇するが、高野山クラスならリハビリに丁度良いだろう。
そう思っていたのだが……実際には数日前に清滝峠で無茶したせいか、リハビリどころではなかったわけだ。
誰も知りたくはないだろうけれども、ライド記事と称してその顛末を語ろうと思う。
人生で最も過酷な高野山
2022年4月30日 土曜日
先日走った夜清滝のダメージがまだ残っており、少し早めに就寝。午前5時少し前に起床し、それとなく疲れが取れていることを確認する。
思えばこれがそもそもの勘違いだったわけだ……。
準備を整えて出発。
最寄り駅から輪行し、南海電鉄なんば駅を経由して橋本駅へ。
駅舎から出ると、既におもち氏、きゃぷ氏、なっち氏が到着していた。しばらくして373氏もやってくる。
輪行を解除していると、鳥の鳴き声が聞こえる。声のしたほうを見ると、燕が飛び交っていた。
愛車のモチーフとなった鳥だけに、しばらくシャッターを向ける。
天候は快晴。素晴らしきライド日和である。
近くのコンビニで軽く補給等を済ませて、いざ出発。
r13に沿って南海高野線沿いに南下する。いつもはフルーツラインと呼ばれる広域農道を使うのだが、大して距離は変わらずアップダウンも無いと聞けば、r13を選ばない手はない。
赤瀬橋の交差点でフルーツラインと合流する。不動谷川に沿ってさらに南へ。
上古沢駅の近くにある、かじかドライブインで少し停車。ここには大きなカエルのモニュメントらしきものがある。
めいめいカエルを真似る形で壁に飛び乗るが、うまくいかない。
撮影はするが1人だけ壁登りに参加しない私。いや、しないのではなく、できないのだ。
この時から、既に不調の波が押し寄せていた。どうにも体が重い。つまり、夜清滝の疲労がぶり返してきたわけである。
再び出発する。登りが始まるなか、自分のペースで1人遅れてついて行くことにした。
高野山までの道のりは、典型的な山道である。うねうねと曲がる同じような景色を何度も反芻することとなる。
しかもこの日は工事による設置信号が多く、その度に停車させられる。不調だったのでのんびり登るには丁度良かったのだが。
そう、この道はいつ来ても工事している。だがそのおかげで、来る度に道が広く綺麗になっているようだ。この道を使う参拝客も多いのだろう。
登りをこなした先にある、やきもちの店で小休止。高野山までの道のりはあと半分くらいだ。
やきもちを食べて少しカロリー補給。気を取り直して出発した。
ここからR480に合流する。道の雰囲気が少し変わり、先ほどよりもゆったりとしたカーブが広がる。
気がつけば東京スカイツリーと同じ高さまで登ってきていた。
木製ガードレールが見えてくると、あと少し。
皆に遅れて登りながら、ようやく高野山の大門に到着した。
きゃぷ氏となっち氏は高野山に来たのが初めてらしい。次は護摩壇山にも挑戦してみようか(私が行きたくない)。
遠足の集合写真のような感じで記念撮影。
とりあえず、ここまでは来ることが出来たぞ。
コーン○ロスティ食べても力は出ない
さて、ここから先は未踏の地である。R480をさらに下ってゆく。
下って……。
おい、下り基調なのに全然スピードが出ないぞ。本当に絶不調である。
夜清滝行くんじゃなかったな……。加えその時に攣った膝裏がまだ治っていないらしく、踏み込むと痛い。
不調を察してか、前を走るおもち氏がスピードを落としてくれる。申し訳ない……。
多少のアップダウンはあるが、それなりに快走路のようだ。道幅も広く、整備されている。
体調が良いときにもう一度訪れたいと思う。
しかし暑い。春の陽気はどこへやら。既に初夏の様相を呈している。
途中、あらぎ島近くの道の駅で一度休憩を入れる。
そこでおもち氏が首をかしげる。計算ではこの時間くらいにもう有田へ着いているはずなのだが……とのこと。
いや、高野山から有田までざっと50kmはある。そんなに早くは着かないだろうと返すと、計算に入れていなかったとのこと。フハハこのおちゃめさんめ。
今回の目的は有田で太刀魚を食べること。目当ての店の閉店時刻は16時。流石にそれには間に合うだろうということで、再び出発する。
道の駅での休憩が功を奏したのか、なんとなく疲労感は軽減された。信号のない道を30km/h程度で走る。というか必死について行く。
せっかくここまで来たのだ。間に合わなくては意味が無い。
なんの成果も!! 得られませんでした!!(はま寿司)
有田川町に入り、目的地まであと10km。
だが、ここで疲労が限界に達する。無理したくなかったのでコンビニ休憩を申請。
疲れた……普段ならそう大した行程でもないはずなのに。疲労感もそうだが、やはり体が鈍っていると感じる。
気を取り直して再び出発。時刻は15時少し前。おもち氏が「皆さん死ぬ気で回してください」というので、覚悟を決める。
有田川を臨みながらラストスパート。信号に止められながら、全力でペダルを踏み込む。
そうして。
15時半。なんとか閉店前に目的地へたどり着いた。
ここの太刀魚丼は絶品である。丼からはみ出るサイズの太刀魚が楽しめる。
だが、どうにも普段の賑わいが感じられない。嫌な予感がした。
先行しておもち氏が店に入り、やがて出てきた。
今日はGW営業で15時までだそうです……
ええええええええ
太刀魚……ぐすん
おのれGW許すまじ(華麗に休ませてもらってるけど)。
何の成果も得られなかった……ここまでの頑張りが無に帰した。もはや食べられるものなら何でも良い。
(気を取り直して)回転寿司が食べたい
なぜに回転寿司……
この前行ったスシローが楽しかったから
なるほど、人生初のスシローはたしかなまんぞくであった
つばめの提案をそのまま伝える。賛同を得られたので、すぐ近くの回転寿司屋に行くことにした。
流石に飢餓状態もいいところだ。徒歩圏内に駅があることを確認し、生ビールを注文。
本日もおつかれさまでした。乾杯!
その後、めいめい好きなものを注文して胃袋を満足させたのち、帰路についた。
なお、おもち氏が20皿近く食べていたのをつばめが驚愕と羨望のまなざしで見ていましたまる。
結びに代えて
過酷なライドであった。より正確に言えば、自ら過酷な状態のまま突っ込んでしまったライドであった。
どう考えても、数日前の夜清滝による疲労のせいである。ライドの翌日以降も膝の違和感は続き、しばらく休養せざるを得なかった。
ロングライドは体が資本、万全の状態で臨むべし。そのことを再確認する。
それにしても、太刀魚のリベンジは果たさなくてはならぬ。
高野山経由のR480は走りやすい道だったのでもう一度訪れたいと思う。しかし、太刀魚目当てで行くのはもうこりごりである。
次回は和歌山あるいは岩出からまっすぐ有田突き進もうと心に決めるのであった。