復讐の有田太刀魚ライド

自転車

前書き

前回、高野山を越えて有田の太刀魚を食べに行くというライドを敢行した。

いや、敢行というほどの気持ちではなくまあいけるだろうくらいに思っていたのだが、蓋を開けてみると予想外の厳しい行程となったわけである。結局、太刀魚にはありつけなかった。

「くやしいのうwくやしいのうw」などとひとり自嘲しながらその日のことを振り返っていると、坂本氏から翌週のライドのお誘いがあった。

誘いに応じた今回の参加者はこちら。

おもちっこ(@noyuyuya
がむが(@AlienA0V0
坂本(@skmt_fact
ふぃぼなっち(@nacci_contact
373(@m_alice
KeiOS(@kei_os_

そして行き先は、なんと先週訪れた有田。前回のリベンジと称して太刀魚食べたいということになり、有田を目指すこととなった。

ただ、ひとつ懸念がある。私の膝である。

どうにも先日のライド以降、左膝の様子がおかしい。曲げたり伸ばしたりするとはっきりとした違和感がある。痛いというわけではないのだが、繰り返し動かしていると炎症を起こしそうな感じ。

なので、あまり無茶なライドはしたくない。有田までのルートはいくつか考えられるが、今回は国道のみを進む楽なルートにしてもらった。これならまあ、なんとかなるだろう。

予想よりもずいぶん早くに太刀魚リベンジできそうだと、その日を心待ちにするのであった。

有田は遠い、そう思っていた時期がありました(なお膝)

2022年5月7日 土曜日

午前5時に起床。GWの連休中である。前日の仕事による疲れもなく、気持ちの良い目覚めだ。

さくっと準備を済ませて出発。路線及び集合時間の都合上、いつもとは異なる駅から輪行にて乗車する。

余裕を持たせすぎたのか、駅で20分も待つこととなった。遅刻するよりは良かろう。

GWのせいか、車輌内は人がそれなりに多い。といってもよく目にするのは部活に向かうのであろう中高生。土日祝日にも部活に勤しむとは……元気だな。私も人のことは言えないが。

ガタンゴトンと揺られること1時間。JR紀伊駅にて降車する。

集合時間の関係から、同じ時間帯に乗っているだろうという気はしていた。私に続き、坂本氏、373氏も降りてくるのが見える。その後、一本遅れてがむが氏も降車。

駅舎前で輪行を解除していると、駅員が興味深そうな様子で近づいてきた。有田まで行くと告げると「ひええ」という反応。さっそく自転車あるあるをいただく。

昔は有田も遠い場所だと思っていたが……その実、紀伊駅から約30km程度。自宅から自走で向かうのでもなければ大したことの無い距離だ。

輪行を解除して、4人で出発。すぐ近くにあるコンビニに向かう。

そこには既におもち氏となっち氏も到着していた。

なっち氏にいたっては大阪から自走、しかも和泉葛城山を越えてやってきたという。仕事が終わってから殆ど寝ていないと聞くが……その健脚恐れ入る。

撮影:373氏

空は快晴。既に春の気配はどこへ行ったという感じ。今日は暑くなりそうだ。

わぁいおさけ、KeiOSおさけ大好き

先週に続き本日も和歌山でのライドである。水先案内人は現地在住のおもち氏が買って出てくれた。

彼の先導でライド開始。まずはr7を西進し、r149から紀ノ川を越える。

途中、玉林園の本社が見えた。知る人ぞ知る和歌山の名物アイス、グリーンソフトを製造している会社だ。本社ではこのソフトクリームも食べられるらしい。甘さ控えめなら一度食してみたいものだ。

R24の下をくぐって南下し、花山西の交差点でさらに南へ。ここから暫く一本道である。

突き当たりで智辯学園を横目に川を渡り、ひたすら南へと進む。

海南市に入って途中、何やら良さげな酒屋が見えた。

和歌山の銘酒、黒牛を販売しているらしい。昨日も多少呑みすぎたので、酒は(本日の夕刻まで)こりごりである。

r135に合流し、JR海南駅の側を走ってゆくと、今度は酒蔵が見えてきた。今さっき酒はこりごりだと言っただろう!

ここは中野酒造株式会社。1949年から続く和歌山の酒造メーカーである。昔は中野醤油店として醤油製造を行っていたが、戦後、販売を開始した焼酎「冨士白」の評判が高く、やがて醤油製造から撤退。焼酎の製造に本腰を入れることとなった。

その後、1958年に現在の社名に改称し、清酒「長久」を販売。さらには「超久」、「紀伊国屋文左衛門」を次々と発表。和歌山を代表する酒造メーカーのひとつへと発展してゆく。

和歌山の酒と言えば「黒牛」や「紀土」が有名だが、「長久」もベストセラーといった感じの安定して飲める酒だ。

いや、酒はもう(本日の夕刻まで)こりごりなんだって。

酒造メーカーの建屋をあとにして進むと、和歌山湾がお出迎え。

山を抜けてゆくルートはそれなりに走りごたえがあるが、こうして手軽に海沿いを走られるのも良い。

ここから紀伊半島をぐるっと囲むR42に入る。おもち氏曰く、点在するトンネル内は大変道が悪く、しかも交通量が多いので自転車での走行は避けたいとのこと。

というわけで、沿岸沿いの小さな道を進むことにした。こちらのほうが海に近く、景色を楽しめる。

途中、くろしおを目撃。

再びR42に合流するのもつかの間、今度は集落の中を突っ切ってゆく。昔ながらのおたふく手袋の看板が見えた。今やスポーツインナーウェア製造の一大メーカーだが。

集落を抜けてR42に戻ると、やがて有田川が見えてきた。目的地はもう目の前だ。

難なくリベンジ出来てしまった……だと……(ライスフィールド)

有田川を渡りまっすぐに進むと、その店は見えてきた。

テラスカフェ・ライスフィールド (箕島/カフェ)
★★★☆☆3.22 ■アジアンリゾートがコンセプト。心地の良いテラス席でスイーツと充実のフードメニューが楽しめる ■予算(夜):¥1,000~¥1,999
撮影:おもち氏
撮影:おもち氏

先日、惜しくも時間切れ(というか時間の読み間違い)で行けなかった店だ。

とはいえ、ライスフィールド自体は過去に何度か訪れており、今回が3回目。ここの太刀魚が絶品なのである。

時刻は11時ほぼちょうど。お昼時は混み合うというイメージだが、店に入ると待たされることもなく席に案内された。

メニューを開いたものの、迷うことなくみのしま丼を注文。ここに来て3回、みのしま丼以外のメニューを注文したことがない。

とは言うものの、他のメニューもどれも美味しそうである。次に来た時は別の選択でも良いかもしれない。

出てきたのがこちら。

太刀魚を一本半使ったフライと蒲焼き。そこにしらす、ほねく(すり身)がチョイスされて丼に盛り付け。豪快な一品となっている。

すごい、太刀魚のフライが長すぎて丼に収まりきっていない

このビジュアルがたまらないわよね。さあ早く早く

さっそく一口。

美味い。太刀魚の白身が、フライのサクサクとした歯触りで一層美味く感じる。蒲焼きの香ばしく甘い味付けもぴったりだ。その味の供宴をご飯と共に楽しむ。

塩分を含んだしらすの味付けも、ご飯とよく合う。小さな魚の形をしたほねくは食べるのが惜しく感じるが、これもまた美味しい。

それにしても太刀魚、たいへんにボリューミーだ。ご飯大盛りは少し多かったか。それでも気がつけばぺろりと完食。

ライスフィールドのみのしま丼、リベンジに相応しいまんぞくであった。

鯉のぼりをあまり見たことがない

ねんがんの太刀魚リベンジを果たし、既に目的は達せられた。

今回はがむが氏が納車して間もないライドということで、彼に行き先の希望を尋ねる。すると、有田川の河川敷に広がる鯉のぼりをみたいという返答が帰ってきた。

ところで鯉のぼりって何?

昔からある日本の風習のひとつだな。単語の節句、つまり5月5日こどもの日に、男の子が健やかに成長しますようにとの祈りをこめて飾る鯉のことだよ

ええっ、鯉を飾るの?

といっても生きた鯉じゃなくて、紙や布で作った大きな鯉をポールに飾り付けるんだ。大きいものだと数メートルにもなるから、結構目立つし、近くで見るとなかなか見応えがある

ふーん。女の子の成長を願うひな人形の話は聞いたことがあるけど、男の子向けの風習もあるのね

とはいえ、鯉のぼりなんて庭がないとそもそも一般家庭では飾れないから、集合住宅しか住んだことのない俺は自分の鯉のぼりなぞ持っていたためしがない。せいぜいこの時期、田舎のほうへ出かけたときに偶に見かける程度だったなあ

そんな鯉のぼりがたくさん上がっている様子が、近くで見られるらしい。

ライスフィールドを後にして出発。R42に沿って走り、途中で保田橋から有田川を渡って対岸へ。

さらに東へ向かい、有田中央大橋で足を止める。

眼下には無数の鯉のぼりが見える。なかなかの絶景だ。

せっかくなので河川敷まで降りて、間近で堪能することにした。

こんなに近くで鯉のぼりを見たことはないかもしれない。想像していたよりもずっと大きい。

せっかくなので全員で記念撮影。

すると、なぜかめいめい鯉のぼりに向かってジャンプする大会が始まった。

撮影:373氏
撮影:373氏
撮影:おもち氏

なぜか格闘ゲームよろしくジャンプ強キックのポーズをする人も。

なお、なっち氏と私はSPD-SLシューズなのでやめておいた。ソールを痛めてしまう。何より私の場合は膝がダメだ。

誰でもない子どもらの成長を願いつつ、鯉のぼりを鑑賞した。

何の変哲もない帰路の先に(tocotowa DELI)

鯉のぼりを堪能して、時刻はいまだ13時過ぎ。

それにしても暑い。気温がぐんぐん上昇していっている。ここまで大した行程ではないのだが、暑さにまだ慣れていないせいか皆一様に疲れが見える。

いったんコンビニに避難し、涼をとる。

撮影:373氏

そろそろ帰路を決めなければと、皆で相談する。私は膝の違和感がマシマシだったので、峠を越えるのが怖い。

ということで、無難に往路と同じルートをとってもらうことになった。普段なら同じ道は走りたくないのだが……。

一度見たルートをのんびりペースで戻っていく……つもりだったのだが、速度はそれなりだ。峠では一部まさかのスプリントが繰り広げられる。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

おい膝痛どこいった。このあとおもち氏から散々嘘つき呼ばわれされてしまった。ヒザガイタイヨー。

とまあ凡庸な帰り道ではあったが、なんとか和歌山市内まで戻ってくる。

無事に帰還できるのが一番、このまま帰るか……などと思っていたら、おもち氏が最後に素敵な場所へ案内してくれた。

トコトワ デリ (宮前/カフェ)
★★★☆☆3.08 ■予算(昼):¥1,000~¥1,999

トコトワ。それは和歌山がほこるチョコレートの名店である。ここはその2号店のようだ。1号店ではスイーツのみの提供だったように記憶しているが、こちらではランチも頂けるらしい。

ここのチョコマニアフラッペは絶品だ。その名の通りかき氷ではあるが、水を一切使わず、凍らせたチョコレートを削り出して作っている。

1号店で過去に一度食べたときには、その美味さに唸らされたものだ。甘いものは苦手だが、チョコレートはそれなりに好物である(自分では買わないけど)。

5月に入りちょうど提供が始まったらしく、せっかくなのでそのチョコマニアフラッペを注文する。

しばらく店内の様子を眺める。内装にも力が入っており、天井高くまで色彩豊かな絵画が広がる。

そうして出てきたのがこちら。

すごい。かき氷なのに水っぽさが一切無い。作り方を思えばさもありなん。

さっそく一口。

美味しい! 凍ったチョコレートのザクザク感が口の中一杯に広がる!

甘いけど、甘すぎないのがまた良いな。キャラメルソースも一緒に提供されたけど、俺は無しで十分かも

パンナコッタやコーヒーゼリーとの付け合わせもバランスが良いわね。チョコレートの魅力がここに詰まっている……濃厚なのに、夏にぴったりのスイーツだわ

2回目とはいえ、その味への感動は些かも変わらない。甘いものが苦手な自分でさえ、和歌山に来たらぜひ一度は食べて欲しい、そう思える一品だ。

tocotowa DELIのチョコマニアフラッペ、チョコレート好きにはたまらないまんぞくであった。

その後、おもち氏の誘導でJR和歌山駅まで運ばれ、本日のリベンジは無事完了となった。

結びに代えて

太刀魚リベンジ。先週の時点ではもっと先になるだろうと思っていた。まさか翌週に再び訪れることになるとは。

もちろん、心の中でははやくリベンジしたくて堪らなかったのだろう。実際、ライスフィールドで食した瞬間、「来て良かった」という気持ちになったのは事実だ。

その上、もう一度食したいと思っていたチョコマニアフラッペまで堪能することができた。リベンジと称しながら、立派なグルメポタリングライドとなったのは言うまでも無い。

膝痛を抱えつつ、次はどこへ行こうか。

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