華麗なる中華あるいは奇妙なパンの冒険ライド

自転車

前書き

先日(2023年3月11日)は初対面の方々とのライドとなった。

そのライドの直前。ふだんよく一緒に走っているおもちさん(@noyuyuya)からもライドのお誘いを受けていた。今回(2023年3月11日)は先約があるということで少し調整し、翌週ならばどうかということで、早々に次のライドの約束を交わす。

決行日は3月19日の日曜日。

それまで少し時間があるので、のんびり参加者を募って行き先を考えようと思っていたのだが……。ここ暫く残業が続いており、そんなことを考える余裕はほとんど無かった。

気がつけば開催日の2日前。ようやく提案できたプランは自身にとって何度も走り慣れたルートで代わり映えも無く。しかし、おもちさんにとっては初見のグルメスポットを盛り込んだつもりだ。

本音を言えば、日曜日なので可能ならサクッと走って早い時間に帰りたいと思っていた。また、フレームを塗り替えたばかりなので、できれば輪行するような距離は避けたいところである(輪行は少なからずフレームに傷がつきやすい)。

そんな私の思いを汲み取ってくれたのかどうかはわからないが、おもちさんが示したプランを快諾してくれた。ありがたいことである。

なお、直前まで二人で走るつもりだったのだけれども。せっかくなのでダメもとでこの日の予定をまったく聞いていないきゃぷちゅんさん(@cap_pac)とふぃぼなっちさん(@nacci_contact)にも連絡。

するとどちらも参加可能との返事があった。とりあえず聞いてみるもんだな……。

そんなこんなで、直前にして4人での近場グルメライドが決定したのであった。

ローアングラーに狙われる愛車の気持ちを答えよ

2023年3月19日 日曜日

午前5時半に起床。集合時間に間に合うよう準備をしていたつもりだったが、思わぬトラブルがあり少し遅れての出発となった。

遅刻しても安全第一である。無理なスピードは出さずにいつものルートを進む。

7時20分ごろにおもちさんとのランデブーポイントに設定していたコンビニに到着。遅れた旨を詫びる。

塗り替えたフレーム、新生つばめがおもちさんと走るのは今回が初めて。出会ってすぐにおもちさんからつばめへの賞賛の言葉を頂く。嬉しいことである。

おもちさんを連れて一路、清滝峠の方へと向かう。

もう何度も通いなればルートをこなしてR163を進む。明るい時間帯は奈良方面への交通量が多いうえに、大型車輌もよく走る道だ。

清滝峠の直前でr20に入る。

ところでおもちさんよ、一体いつから――このライドが二人だけだと錯覚していた?

何……だと……

そんな会話をしながら清滝峠近くのコンビニに行くと、きゃぷちゅんさんとなっちさんの姿があった。おもちさんにはこの二人の参加を伏せていたわけだ。

なお、おもちさんからはネタバレするのが早いと突っ込まれてしまった。慣れないことをするものではない。

カスタムペイントされた我が愛車。初見なのはきゃぷちゅんさんもなっちさんも同様である。走る前からそのフレームにカメラが向けられる。

……なんだかはずかしいのだけど

熟練のヲタからカメラをローアングルで接写されるコスプレ初心者の気分ですね、わかります

はいそこ下からの撮影禁止! って何言わせるのよ

なお、きゃぷちゅんさんの愛車もまた、同じアトリエにてカスタムペイントしてもらった1台である。タイミングは異なったが、奇妙な縁を感じる。

これで全員揃ったわけだ。のんびりまったり、グルメライドの開始である。

鳥谷池でフォトコントロールとか最初に言い出したのは

コンビニを出て、さっそく清滝峠へ。

写真:おもちさん
写真提供:おもちさん

タイムアタックをするでもなく、会話できるペースでまったりと登る。

頂上に到着し、お地蔵様へご挨拶。本日も良きライドとなりますように。

裏清滝を注意深く下り、すぐにR163の北側へ入る。

のんびりとした道を抜けてr65へ。このルートも慣れたものだ。

写真提供:なっちさん

さくっと鳥谷池に到着。ブルベでは無いがここでフォトコントロールを行う。

ちなみに鳥谷池でフォトコントロールとか最初に言い出したのは誰なのだろうか。なお、私がそれを最初に呟いたのは2019年の1月だ。

余談だが「グッドモーニング・イガ」と言ったのはおそらくなっちさんが最初で最後である。

グッドモーニング イガ!伊賀の「Bean’s cafe」へリハビリライド|道ゆくままに
概要 膝を痛めて12月は休養中でした。 まだ、痛みは残っていますが原因は分かったので...。 「新しい痛みが増えなければ

鳥谷池からは京田辺市へ抜けるルートと、精華町へ抜けるルートに分かれる。今回は前者を選択。

写真提供:おもちさん
写真提供:なっちさん

r65を下り、そのままド平坦へ。ここはけっこうスピードが乗る区間なのだが、どうにも向かい風のせいで気持ち良く走れない。前を交代してもらいながらのんびりと進む。

JR三山木駅を過ぎる。今回は木津川の東側を走るサイクリングロードを進みたい。東側のサイクリングロードの開始地点はもう少し北側となる。木津から伸びる西側の道と同じようにはいかないので注意が必要だ。

川の少し手前で北上。走りながら、そういえば最近スイーツを週1で紹介する某アカウントが活動していない旨の会話が始まる。甘いものは苦手だが、あのアカウントに紹介されたものであれば食べずにはいられない。

そんなことを言うやいなや、おもちさんから「そのわりに最近甘いものばっかり食べてるじゃ無いですか!」と突っ込まれた。

いや、本当に甘いものは苦手なんだ。

R307に合流してから木津川を越える。

写真提供:おもちさん

R24との交差点の北側から、木津川の東側を走るサイクリングロードに入った。

先行するきゃぷちゅんさんとおもちさん。のんびりとした気候のなか、なっちさんとゲームの話をしながらゆるいペースで後ろを走る。

走り慣れた道で、何度も走りたくなる道である。直前までルートが決まらなかったが、今日はこれで正解だったように思う。

とはいえ、本日のメインはグルメ。まずはそこまでたどり着かなくてはならぬ。

自転車を押し歩いて流れ橋を渡り、木津川の西側へ。そこから御幸橋まで走り抜ける。

写真提供:なっちさん
写真提供:なっちさん

京阪石清水八幡宮駅のそばを抜けて細い街道を進むと、最初の目的地があった。

「カレー」って辛いからそう呼ばれるわけではないらしい(小谷食堂)

本日の昼食スポット、小谷食堂である。

小谷食堂 (石清水八幡宮/食堂)
★★★☆☆3.42 ■予算(昼):¥1,000~¥1,999
写真提供:なっちさん

ここに来るのは今日が2回目。きゃぷちゅんさんも一度来たことがあるらしい。おもちさんとなっちさんは今回が初めてのようだ。

一見して普通の町食堂のような雰囲気だが……中に入ってもその印象は変わらない。

写真提供:おもちさん

メニューを開き、すぐに注文すべき品を決める。

全員一致で注文したのはカレー中華のセット。そう、ここは他ではあまり見ることのないカレー中華なるものを取り扱っているのである。

なお、今回は「肉マシ」をセレクト。ほかにネギ増し、大盛り、替え玉、さらには濃い目といった注文も可能だ。濃い目って何だ……。

談笑しつつ待つこと暫く。出てきたのがこちら。

見た目はカレーそばといった印象だが……。久しぶりの一品に期待が高まる。

さっそく、一口。

美味い。口に入れた瞬間に広がるカレーの味。それが和風出汁のテイストで引き延ばされてゆく。

麺はオーソドックスな中華麺を思わせるが、ラーメンによく見られるコシはない。そのコシのなさゆえにか、和風の味付けとの相性が良い。

薄く切られた肉はしかし面積が広く、カレー出汁で浸したあと思わずライスに運んでしまう。

カレーラーメンとは全く異なる、カレー中華。素朴だが存在感のある一品だ。何よりもそのネーミングが良い。

今日は早めに来たおかげか、店内は比較的空いている。12時過ぎになると満席になることも多いようだ。

また次回もぜひ立ち寄ろうと思い、店を後にした。

小谷食堂のカレー中華、妙にほっこりするまんぞくであった。

君がッ!腹パンになるまでパンを突っ込むのをやめないッ!(リーブル)

次のグルメスポットは、なんと小谷食堂から300メートルも離れていない。

なのに道に迷ってしまい、わざわざ1kmくらい走ってしまった。まあ、少しでもお腹を減らしましょうという私なりの計らいである。

着いたのはこちら。

リーブル

リーブル (石清水八幡宮/パン)
★★★☆☆3.09

八幡市にある昭和の香り漂うパン屋である。

写真提供:おもちさん

店頭には2台ほど置けるサイクルラックが設置。このサイズでも用意していただけるのがありがたい。

写真提供:おもちさん

ふと入口の横に視線を移すと、とび太くんがいた。

写真提供:おもちさん

しかしその姿はどこかで見たような……。

そう、『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』の主人公、ジョルノ・ジョバァーナと、『鬼滅の刃』に登場する主人公の妹、竈門禰豆子だ。

この店、リーブルではとび太くんを用いた「ジョジョ」と「鬼滅」のキャラクターがお出迎えしてくれるのである。2020年の4月に訪れた際には別キャラクターがいた。

ちなみに2019年の2月に初訪問した際には、ジョジョ5部のキャラクターが勢揃いだった。

2019年2月訪問時の写真

とび太くん、意外とアニメコラボが多いという印象だ。近場だと宇治で京都アニメーションの作品が使われているのを目にしたことがある。

さっそく店内へ。小さな空間にパンが所狭しと並ぶ。

これだよこれ、と言いたくなるようなラインナップ。しかし、決して素朴を売りにしているわけではなく、味も一品である。

どれも気になるところだが……昼食を終えたこともあって、フレンチトーストと牛乳リッチをセレクト。

ビニール袋に入れて貰い、それにワイヤーロックを組み合わせて簡易サコッシュを作る。とりあえずパンを広げてゆっくり食べられる場所を探す。

なんとなく、行き先にアテがあったので提案。了承を取り付け、その場所へと先導する。

リーブルを南下し、途中で西へ。

団地の並ぶ区画に入ってしばらく進むと、野球場が併設された公園、くすのき近隣公園が見えてきた。

ここは私の生家のすぐ近くの公園だ。昔、この公園で父親と凧揚げをしたのを覚えている。

自転車に乗って暫く、何度かこの地を訪れている。特に、リーブルに寄ったあとはこの公園で食べることが多い。

無為にノスタルジーに浸るのはあまりよくないと思うが、それを差し引いてもなお、静かで落ち着いた住宅街だと思う。

とはいえ、この日はすぐ近くで選挙活動らしき演説の声が響き渡っていた。

公園でちょうど空いていたベンチに座り、さあ食べようと思いきや――なぜかおもちさんが懸垂器具らしき遊具に夢中である。

それに続くなっちさんと、なぜか無理矢理懸垂させられるきゃぷちゅんさん。筋肉に魂を惹かれた人間たち……。

気を取り直して、パンを食べ始める。

フレンチトーストと牛乳リッチ、程よい甘さと懐かしい味わいで、食後の一品にちょうど良い。

カレー中華を食べてもまだ余裕はあったらしく、これなら普通の惣菜パンでもよかったかもしれない。次回の参考にしよう。

うららかな日差しのなか談笑しているのは気分がよく、どうにも動く気になれない。結局、1時間近くも居座っていた。

とはいえ、あまり長居していても帰る時間が遅くなるだけ。ぐっと席を立つと、帰路へと着くことにした。

緩やかな登りだからって踏むことはないじゃない

八幡市あたりから帰る手段はいくつかある。

一番早いのは淀川サイクリングロードか、あるいはR1を南下するルートだろう。

しかし、前者は昨日の雨による路面状況が少し気になる。

後者は交通量が多いのが難点。京都と大阪を1時間くらいで走れるので、急ぎのときはこれが一番なのだが。

というわけで、今回はどちらの案も採用せず。何度か使用したことのある学研都市線との並走ルートを経由することとした。

r284を進んで摂南大学の交差点を南に曲がると、枚方市へ突入。そのまま道なりにr735を進む。

写真提供:なっちさん

しばらくしてJR学研都市線の長尾駅が見えてきた。線路に並走するようにして進む。

交通量の多さをなんとかやりすごしつつ、R168との合流地点までやってくる。

そのまままっすぐ行ってもさほど時間は変わらないのだけど、せっかくなので最後にもう少し登っておくがよいという私の不可解な計らいにより、ここでルート変更を要求。R168へと曲がる。

ゆるい登り基調のなか、なぜかなっちさんが先頭でペースを上げる。いや、登りは入れたけどペース上げなくても良いんだよ……。ブランクがあるとは思えぬ引きにちぎられないようついて行く。

もう少しまったり登るはずが、あれよあれよという間にR163の近くまで戻ってくる。そのまま裏道を抜け、もと来た清滝峠が見えてきた。最後にこれを逆から登るわけだ。

さすがに皆少し疲れたのか、会話できるペースで登り始める。野外活動センターの前を過ぎてT字路を右へ曲がり、峠の頂上まであと500メートルほど。

そのとき。

……これは皆、誰が先に飛び出そうかタイミングを見計らっているわね

やはり

ねえKeiOS――

皆まで言うな、わかっている

一足先に、飛び出した。

さすがにグラベルロードやクロスバイクに比べると、登攀での加速性能はダンチだ。登りが楽しい。速い。オレ……生きてる!

しかし、ペース配分をよくわからないまま飛び出してしまったせいで、だんだんと失速してゆく。結局最後にはきゃぷちゅんさんに抜き返されてしまった。

いらぬ体力を使い、ゴール。奇しくもスタート時に挨拶したお地蔵様の前であった。

ぬう、微妙に悔しい。とはいえ、安全第一である。余裕をもって走り渡れるだけの体力と脚力が欲しい。

最後に頂上の標識前で記念撮影し、本日のライドは終了となった。

結びに代えて

即席で思いついたライドにしては、満足のいくものだった。やはりライドに必要なものは美味しいごはんである。

既に何度も走り慣れたルートだが、私には慣れ親しんだものとして定着しつつある。こういう、自分にとってお決まりのルートがひとつあるのは良いことだと思う。

一方で、もっと長い距離や走ったことの無い道を走りたいのも事実。数年前は200kmオーダーのライドもそれなりにこなしていたはずなのだが……。

いずれにしても、無理のない範囲で戻していきたいものである。

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